高齢化が進む日本で「終活」という言葉は、もはや特別なものではなくなりました。テレビの特集や雑誌で頻繁に取り上げられ、多くの人が自分事として考える時代です。かくいう私も、終活はかなり真剣に考えているテーマです。夫は次男で継ぐ家がなく、私たち夫婦には娘が一人。この代で世帯が途切れる、いわば「打ち切り世帯」だと考えています。
今回は、そんな私がなぜ終活に本気になるのか、そして、孤独死やその後の問題を避けるためにどうすればいいのかについて、真剣に考えてみたいと思います。
なぜ「打ち切り世帯」は終活が必須なのか
私自身の造語ですが、一人暮らしの方、夫婦だけで子どもがいない世帯、子どもがいても娘だけで家を継がない世帯など、実は身近にたくさん存在します。
人生をドラマに例えるなら、視聴率が振るわず打ち切りになるドラマのように、突然終わりが訪れるかもしれません。

そんな「打ち切り世帯」が終活を真剣に考えなければならないのは、
もしもの時に誰も頼る人がいないからです。
かくいう私の実家も私で途切れることになり、現在の世帯も一人娘のため、私たち夫婦もこれでおしまいです。
忘れられない衝撃的な光景
昔、通勤バスから見た光景が、今でも忘れられません。
鬱蒼とした木とゴミに覆われた、見るからに陰気な「汚屋敷」。
ある日、強制撤去されたその更地には、
ゴミと共に、粗末に扱われた仏壇が置かれていました。
孤独死か、強制退去か。
事情はわかりませんが、家も仏壇もゴミ扱いされるその光景を見て、「自分の最期は、きちんと自分で始末をつけなければ」と強く思いました。
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お墓の問題、その解決策は?
「打ち切り世帯」にとって、お墓の問題も切実です。
昔は、先祖代々のお墓があれば誰かが守ってくれるのが当たり前でした。
しかし今は、核家族化で面倒を見る人が少なくなり、永代供養と謳われていても、管理料が途絶えればお墓が撤去されることも珍しくありません。
30〜50年後には、他の方とまとめて合祀されるお墓も増えています。
お墓だけではありません。
もし孤独死した場合、枕元にお金が残されていたとしても、親族がいない場合、市がそのお金を勝手に葬儀費用に充てることはできません。
残されたお金は市に回収され、葬儀費用は税金から支払われることになるのです。
自分の死後、誰にも迷惑をかけたくない。
自分の人生の終わりを、自分の意思で決めたい。
そう願う「打ち切り世帯」の終活を、国や自治体もサポートするようになってきています。
「打ち切り世帯」を救う、自治体の取り組み事例
終活に対する意識の高まりを受け、各地方自治体も様々な取り組みを始めています。
地方自治体によっては、エンディングノートを配布するところも出てきました。
私の住んでいる市もエンディングノートをPDFファイルでダウンロードすることができます。
でもその内容は自分史を作る、または認知機能が衰えた時のその人を知るためのツールの一つにしかなっていません。
終活のほんのさわり程度の内容です。
しかし高齢化に伴い独居孤独死なども増え、その対策は待ったなしです。
ここでは、特に踏み込んだ支援を行う2つの市の事例を紹介します。
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【横須賀市】「私の終活登録」制度
横須賀市では、自分の終活情報を市に登録できる制度を設けています。
登録内容は、緊急連絡先から、リビングウィル(生前の意思表示)や遺言書の保管場所、葬儀・遺品整理の生前契約先など多岐にわたります。
登録しておけば、万が一の時でも「行旅死亡人」として扱われる心配がなくなります。
しかし金銭に関してまで市は踏み込んでおらず、孤独死すると発生する費用などは明確になっていません。
詳しくはこちら横須賀市終活登録伝達事業
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【大和市】「おひとり様などの終活支援事業」
大和市はさらに踏み込んだ支援を行っています。
市が「終活コンシェルジュ」となり、おひとり様や「打ち切り世帯」の相談に乗ってくれます。
キャッチがすごい!
”不安を抱える市民の皆様の最初の相談先「わたしの終活コンシェルジュ」として、関わっていきます。”(※上記内容引用は大和市/おひとり様などの終活支援事業より抜粋)

わたしの終活コンシェルジュ!
市が指定する業者と生前契約を結び、情報を市に登録すると、市が定期的に安否確認をしてくれるだけでなく、死亡時には登録内容に沿って親族や友人に連絡までしてくれます。
まさに、
※大和市で暮らす親を心配した遠方の親族による相談も可
そして登録内容通り行えるよう最後までサポートしてくれます。
もちろん自分の意思で業者を選んでとそれなりの契約を結ぶ必要があります。
ここまでしてくれるなら先々の心配や孤独死の不安もかなり解消されるでしょう。こんなサービスがあるなら私も大和市に住みたいです。
詳しくはこちら大和市/おひとり様などの終活支援事業
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誰かに任せる時代は終わった
これらの事例は、「打ち切り世帯」にとって心強い味方になるでしょう。
しかし、たとえ手厚い支援があっても、やはり自分のことは自分で決めておくことが重要です。
誰かがなんとかしてくれるだろう、と漠然と考えるのではなく、自分の人生の終わりをどう迎えたいのか、具体的に計画しておく。
お墓はどうするのか、葬儀は誰に頼むのか、残された財産はどうなるのか。
実際たとえ枕元にお金を残しておいても、孤独死の場合、市が勝手にそのお金を使っての葬儀は出来ないそうです。
私も、最終的には両親の「自然葬」を執り行い、自分の終の住処を決めました。
両親の自然葬の話はこちらで。


「いつ死んでもいい」と思えるくらいの覚悟を持って、今を生きる。
それが「打ち切り世帯」の終活の第一歩ではないでしょうか。
あなたも、自分の「終活」について考えてみませんか?
これからもこの問題は前向きに捉えて発信していこうと思っているグリコです。
最後までお読みくださりありがとうございました。
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