12月20日から公開が始まった『この世界のさらにいくつもの片隅に』が私の住んでいる南関東でも27日から上演されました。上映初日に観ることが出来たグリコール・グリコです。
前作は今年のNHK特集で観た私
丁度今年NHKが放送してくれたので、録画して視聴しました。
最初は主人公すずさんより二つ年下の義理母つうさんと観ました。
ちょっとのんびりしている感じがすずさんと似ていないでもない義理母つうさんです。
いつもはTVを観ながら絶対おしゃべりをするつうさんですが、これは食い入るように黙って観ていました。
戦前の日本の様子から始まるこの映画にちょっとビックリしました。戦争前はクリスマスもちゃんとあったんですね。
義理母つうさんの思い出話もどちらかというと戦争に入る前の豊かな暮らしの思い出が多いです。
戦争になって義理母つうさんの七里ヶ浜の家も一時軍に接収されて色々不自由な思いをしたそうです。。
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この世界の(さらにいくつもの)片隅には前作に追加シーンを加えた168分の長尺版
私は朝一番の回に滑り込みました。観客は平日の朝ということもあってシニア層がダントツでした。
そして168分という長尺はシニアには耐えきれず、途中トイレ離脱が数人。
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布がつながっていくシーンが随所に。他にも小さな仕掛けを探していくのが楽しい。
ちょこっとネタバレになってしまいますが、例えば。
すずさんの草津の叔母さんの家で、3兄妹の着物が干されているシーン。
座敷童子(エンデングロールにもつながっていく)の着ている着物は3兄妹の着物のパッチワーク。繋がっています。
他にもあの衣装の端切れはここにも、、というところがいくつも出てくるので、その『匂わせ?仕掛け』を探すのもこの映画の楽しみにもなるところです。
他にも小さな仕掛けは沢山ありましたよ。
すずさんが鬼ぃちゃんに出す手紙に、〇〇隊と書くところが〇〇鯛となっているなど、クスリと小さく笑ってしまいました。
TVでは気が付かなかったです。
前作では説明されていない周作さんのノートの裏表紙の欠けの意味も分かっていきます。
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英霊合同慰霊祭の時にお坊様が唱えるのは白骨の章?、、たぶん。
英霊なら神社かな?と思ったらお坊様が念仏を唱えていました。すずさんの結婚シーンも仏前です。
広島地方は浄土真宗が多いのでしょうか。
私は個人的にこの白骨の章が大好きです。
婚家は臨済宗ですが私は特定の宗教を持っていないので私が死んだらこの白骨の章を読んで欲しいです。
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リンさんのセリフにグッとくる
長尺版では遊郭のリンさんと夫周作さんとの関わりが小さなことから分かり、改めてすずさんの女性としての葛藤が明確になっていきます。
リンさんの台詞、
私だけの秘密、ということなのか。
全てを白日の元に晒す事が良い事、ということでもない。という事なのか。
尋常小学校を2年しか通っていないリンさん。
リンさんの”学はないけれど人間的な深さ”に改めてガツンでした。
今回のバージョンを見るのならエンディングロールを最後まで見届けて欲しい!リンさんの来し方がわかります
前作を見て知っていた方なのか、何人かがエンディングロール中盤で立ち上がって劇場から出ていきました。
もったいない!映画は劇場が明るくなるその瞬間までが映画なのに〜。
”クラウドファンディングに協力してくださった方”の字幕が入り始めると、下の方にリンさんの来し方のエピソードが出てくるのですよー
そしてぐるりと話の前半のあの座敷童子と繋がります。
座敷童子は夢か現か。
いろいろな意味で繋がる映画です。
ある時にジグゾーパズルのようにカチリとハマって人間はいろいろなところで気づかない縁で繋がっていくんだな、と感じました。
歴史に埋もれていく市井の人々ですが、一人ひとりに物語があり、それは軽いも重いもない。
皆その置かれた時間の中でやれる事を粛々としていく。市井の人の強さも感じました。
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その他、関連情報
実はまだ原本の漫画を読んでいないので、改めて読んでみようと思っています。新しいカラクリも見つけられるかも。
昭和のあの時代を実際に感じて見たいなという方は昭和の暮らし館では現在複製原画と製作の裏側(設定スケッチなど)・1階の茶の間と台所、茶の間を中心に“すずさんのおうち”である北條家を再現・俳優・栩野幸知さんの「すずさんのおうち模型」と、アニメに登場する小道具を実体化した「妄想模型」・水汲み、背負いかご、風呂敷担ぎなど、庭の体験コーナー展示されています。
展示期間は3月29日(日)開催中です。
また、BS1では2020年1月16日(木)深夜に『にっぽんぐるり「あれから3年すずさんが投げかけたもの」が放映される予定です。
興味を持った方は足を運ばれたり、試聴して見てくださいな。
引きこもりオバハンですが、気分転換に映画に足を運びます。
映画の感想はここでも。↓
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