男子が語る片付けの本を再読しているグリコール・グリコです。この本からちょっとした暮らしの整え方を学んでいます。ライトで読みやすいですよ。
後期高齢者男性が紐解く片付けエッセイ
いきなりその見出しですかって言われそうですが椎名誠軍団の沢野ひとしさんももれなく平等に歳を重ねておりました。
1944年生まれと本の後ろに書かれていたので今年で78歳です。(椎名さんも78歳と思うと感慨深いです。)
当たり前なんですが、なんかほっとしました。
私だけじゃなかった、ああ良かった、みたいな。
だったら『ジジイの片付け』というタイトルもあながち嘘くさくもない。
そんな後期高齢者の男子が片付けについて語っています。
どうそそのかされたんでしょうか?
ある日編集の人が沢野さんちを訪問した時にこんな話が出たんでしょうか?
(以下妄想)
”いやぁ、いつも沢野さんのお宅はシンプルで居心地がいいですね。いいなぁ、わたしは好きだなぁ〜”
に始まり、
”今ふと思ったのですがどうです?沢野さん片づけの本書いてみませんか?巷には片づけの本がごまんと溢れていますが圧倒的に女性向けなんですよ。男性が片付けを語るとどうも理詰めで受けない。そこいくと沢野さんは絵も書けるし程よく脱力しているしある程度年齢を重ねてらっしゃるから経験値も深い。いい本がかけそうなんですけど、、”
と口説かれたのかな?ときっかけから妄想がはじまってしまいましたぜ。
なんせタイトルが『ジジイの片付け』です。
手にとってみたくなりますよね。
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ジジイの片付け、ジジイと言っているだけあり主語がジジイ
ほとんど私はとか、ぼくは、と言いません。
『ジジイは』と語ります。
枯れているからなのか捨てているからなのか、開き直っているからなのか自覚しているからなのか、ジジイはジジイだからなのかジジイは、、と書いてます。
コレがもし『ババア』と書いてたら総スカンでしょう。
たとえ作者自身が女性であっても自らをババアと言うのはちょっと辛く、世間の風当たりも強くなる感じがします。
同じ歳なのにババア呼ばわりされて不愉快、こんな本資源の無駄、って散々言われそうです。
けれど自分で『ジジイ』と言うのはなんか”うん、わかるわかる、孫もいるし後期高齢者だしね、ごもっとも”
って納得してしまいます。
ジジイだからこそ許される特権なのかもしれません。
具体的なノウハウと共にエッセイの要素も有りどこから読んでも良い
片付けの具体的なノウハウは特に目新しいことは無いのですが、文筆業の方の蔵書の数やそれに対応する為の作戦だったりが涙ぐましいです。
百文字コラムは片づけのワンポイントアドバイス的な仕上がりになっています。
まずはコレだけ読むのも有りです。
大見出し1の小見出し3で構成されているので気になるコラムだけに目を通して実践するものいいと思います。
ただジジイがやっているのだから自分にできないはずがない、、って何故か上から目線でふふんっと高を括るといけません。
ライトな中にも経験値に裏打ちされたありがたいお言葉がさらっと置いてありますから。
けれど個人的にはコラムもいいですがやはりエッセイが好き。
巻末近くの”パリジェンヌはバスタオルを持たない”に登場するパリに住む日本人の生活にぐはっと血反吐を吐きそうになりました(苦笑)。
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この本、特に夫シンジさんに読んでもらったのが『別荘の夢を片付ける』
昔から別荘を持つことになんとなく憧れを抱いていた夫シンジさん。
私も若い頃は夫と一緒に別荘を持つなら場所は〇〇がいい、いや〇〇は?なんて話していました。
今も地球温暖化がこれ以上進むのだったら夏場はどこぞの高地で避暑したいと考えます。
けれど沢野さんの『別荘の夢を片付ける』の項を読んでその淡い夢を捨てました。
2つの家の管理はとてもじゃないけど私たち夫婦には出来そうもないってことがわかりました。。
ってかこの段階で釘を刺されて良かった。
どうしても高地に住みたいなら移住ですね。
でも高齢になっての移住は辛い。
うん、やめよう。
出たばかりの本だし許可もなく具体的な引用が出来ないので”えー知りたいんですけど”と言う方は是非読んでください。
帯は谷川俊太郎さんが書いています。
何が良いってね、
活字が大きめなので再読する気になるんです!
沢野ひとしだけに相変わらず脱力系のイラスト満載
沢野さんといえば脱力系のワニ目のイラスト。
今は老眼が進んでいるのかかなり線がカタカタして来ています。
素朴さが増して来ているというかコレが老境と言う感じです。(スミマセン、お会いしたことも無いのに言いたい放題で)
文章の下に小さなイラストが満載で一粒で2度美味しいページになっております。
この片付けエッセイ、程々の塩梅で楽しめます
私の中で物書きさんや絵描きさんはどちらかというとごちゃっとした部屋に住んでいるイメージが強かったので巻頭にある沢野さんのアトリエと自宅のキッチンの写真は意外でした。
もちろんスッキリ整っております。
お片付けの終点はどの片付け本もさほど差異はありませんが、作者が今まで見た風景が織り混ざり、この片付け本は渋さがあります。
お片付けに興味のある方は是非手にとって読んで欲しいな、と思っています。
わたしがロジカルダイヤリーという手帳を使い切ることができたのも、実はこの本のおかげです。
”ノートや手帳は最後まで全部使い切ると自信が湧く”という見出しの文章に後押しされて手帳を使い切ることができました。
確かに自信というかマラソンを完走しきったランナーの気持ちになりました。
今日はもう一回皆さんに紹介したいので、『ジジイの片付け』、リライトしてアップしてみました。
秋の夜長の読書に是非!後期高齢者の男子が語る片付け、良いですよ〜。
本日も最後までお読みくださり、ありがとうございましたV
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