50代を過ぎたら誰もが気になる病気、帯状疱疹。発症するとチクチク、ズキズキと激しい痛みに襲われ、体力の低下とともに発症リスクは高まります。
私が今回、2回接種で費用も安くはない「シングリックス」という新しいワクチンを選んで接種したのには、実は切実な理由があります。
それはわたしの実母も娘も過去に帯状疱疹を発症しており、二人とも、皮疹が治った後も痛みが長く続く帯状疱疹後神経痛(PHN)に、何年も悩まされました。
そのつらそうな姿を間近で見てきたからこそ、「自分は絶対に予防したい」と強く決心したのです。
体験前に知っておきたい!帯状疱疹ワクチンの種類と効力
体験記の前に帯状疱疹には2種類のワクチンがあるので、簡単にその説明も。
帯状疱疹ワクチンには、生ワクチン(ビケン®など)と不活化ワクチン(シングリックス®)の2種類があり、効力(発症予防効果および持続期間)に明確な差があります。
シングリックスは2回接種が必要ですが、生ワクチンに比べて非常に高い予防効果と長い持続期間が確認されています。
帯状疱疹ワクチンの効力比較データ
| 項目 | 生ワクチン(ビケン®) | 不活化ワクチン(シングリックス®) |
| 発症予防効果 | 約 50〜51% | 90〜97% |
| (50歳以上) | (50歳以上で97.2%、70歳以上で89.8〜91.3%) | |
| 帯状疱疹後神経痛(PHN) | 約 67%減少 | 約 90〜100%減少 |
| 効果の持続期間 | 5年程度で効果が低下 | 9年〜10年以上持続 |
| 接種回数 | 1回 | 2回(2〜6ヶ月間隔) |
※出典元および参照データ: 厚生労働省資料:乾燥組換え帯状疱疹ワクチン シングリックス®筋注用 主要な臨床試験成績等の概要 /名鉄病院:帯状疱疹ワクチン(ZOSTAVAX®による海外データ含む)/こどもとおとなのワクチンサイト:帯状疱疹ワクチン
効果の持続期間を比較しても、帯状疱疹後神経痛(PHN)の予防効果の割合を比較してもシングリックスに軍配が上がります。
ネックは費用?シングリックスの費用対効果と相場
一番ネックなのは費用です。
帯状疱疹ワクチンの費用比較(目安)
以下の費用はあくまで一般的な医療機関における相場(全額負担の場合)です。接種前に必ず医療機関にご確認ください。
| 項目 | 生ワクチン(ビケン®など) | 不活化ワクチン(シングリックス®) |
| 接種回数 | 1回 | 2回 |
| 1回あたりの費用 | 約 5,000円 〜 10,000円 | 約 20,000円 〜 25,000円 |
| 合計費用(全接種完了まで) | 約 5,000円 〜 10,000円 | 約 40,000円 〜 50,000円 |
(※2025年現在)
費用の差に関するポイント
生ワクチンは1回で済むため、費用負担は合計で1万円程度に収まることが多いです。
シングリックスは2回接種(2~6ヶ月間隔)が必要なため、合計費用は生ワクチンの約4倍~5倍程度になることが多いです。
シニアに朗報 2025年から助成金が適応
ただし2025年4月1日から、帯状疱疹ワクチンは定期接種(B類疾病)となり、全国的に公費助成が適用されることになりました。
対象年齢はその年度内に65歳を迎える人また2025年度(令和7年度)から2029年度(令和11年度)までの5年間に限り、以下の年齢になる方も定期接種の対象となります。
その年度内に70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳となる方
2025年度に限り、100歳以上の方全員
私が住む自治体は生ワクチン4,500円、シングリックスが11,800円×2回でした。
大体約半額の助成金が出ています。
わたしも、「令和7年度高齢者帯状疱疹予防接種のお知らせ」のハガキが届いていたので受けることにしました。(接種期間:令和8年3月31日まで)
なんせハガキには公費負担で接種を受けられるのは今年限りです。(それも太文字で)
って書いてありましたから。。

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【リアルレポート】接種後の副反応、正直つらかったです
さて、本題の接種体験です。
副反応についても正直にお伝えしますね。
私が選んだシングリックスは、予防効果が高い代わりに「副反応が出やすい」と言われています。
私もその例に漏れず、接種後はなかなかの戦いでした。
接種当日夜: 注射を打った左腕が、まるで誰かに殴られたようにズキズキと痛み出しました。
腕を真横に上げようとしても、痛くて全く上がらない状態に。
腕がついているだけでも痛いので、いっそ三角巾で吊りたいくらいでした。(大泣)
接種翌日: 朝起きてすぐに体の異変に気付きました。
体がだるく、熱を測ると37.8度!
普段平熱が低いので、結構きつく感じました。
全身が重く、インフルエンザの初期のような倦怠感でした。
熱が引いたのが日を跨いだ夜中の2時過ぎ。
嘘のようにスッと熱が引き、なにも起きていなかったかのように普通に戻りました。
グリコまるで体内アップデート完了って感じです。
翌日にはプールにも行けるほど回復しました。
ただ腕の痛みはまだちょっと残っています。
正直に言うと、「あぁ、やっぱりこんなにつらいんだな…」と少し後悔の念が頭をよぎったのも事実です。
そして2度目の方が副反応が重い人が多い、、、ということも聞いて2ヶ月後がちょっと憂鬱にもなりました。。。
副反応を乗り切る!私が用意しておいて良かったもの3選
しかし、幸いにも副反応は長引きません。私の場合は、接種から2日後には熱が下がり、腕の痛みも和らいできました。
この数日間を乗り切るために、事前に準備しておいて助かったものも紹介します。
解熱鎮痛剤(アセトアミノフェン系)
接種前に主治医と相談して用意しておきました。発熱や腕の痛みを和らげるのに役立ちました。
※ただし、必ず医師や薬剤師に相談して用意してくださいね。
冷却シートやアイスノン
腕の腫れや熱っぽさを感じる部分に当てると、ひんやりして痛みが軽減されました。
接種した腕がかなり熱っぽかったので。
楽に着脱できる前開きorゆったりした服
とにかく腕が痛くて上がらないので、Tシャツを脱ぐのすら一苦労です。
ゆったりしたカーディガンや前開きのパジャマにしておくと安心です。
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副反応のつらさ<帯状疱疹になるリスク:それでも私が「打って良かった」と思う理由
さて、ここが最も皆さんに伝えたいことです。
腕の痛みや37度台の発熱は確かに「嫌な体験」でした。
しかし、私はこの数日のつらさを経験して、「本当に打って良かった」と心から思っています。
私の副反応のつらさ:数日で治まった。
母や娘の帯状疱疹後神経痛:数年、ひどい痛みに悩まされた。
このリスクの重さを比較すると、一目瞭然です。
帯状疱疹の発症リスクを大幅に下げ、たとえ発症しても重症化やPHNへの移行を防ぐ効果が高いシングリックス。
これは、私にとって「将来の大きな痛み」に対する確実な保険のようなものです。
たった数日の副反応で、数年にわたるかもしれない激痛を避けられる。そう考えると、この経験は決して高い代償ではありませんでした。
あなたも主治医と相談を(連載予告)
ワクチン接種は、費用や体調面も含め、人によって考え方が違います。
もしこの記事を読んで「私も予防したいな」と感じたら、まずはかかりつけ医にご相談ください。
ちなみに、母はPHNの痛みを乗り切るために、神経ブロック注射を打つため長期間通院を繰り返しました。
それでも、痛みが完全には治まらないという現実がありました。
また、娘は今でも気圧が変動する時などに、傷跡の周辺をフォークで刺されるような激痛に襲われると言います。
私がシングリックスの2回接種を決めた最大の理由は、このつらいPHNのリアルを間近で見てきたからです。
帯状疱疹ワクチンシングリックス体験の続編は、年明けに予定している2回目接種後に公開予定です。
1回目との副反応の違いや、PHN予防への思いをさらに詳しく語る予定です。
大人になっても注射は苦手なグリコですが、皆様と一緒に健康で楽しいシニアライフを送るため、頑張りますね。
本日も最後までお読みくださり、ありがとうございました!



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