本日は遅くなりましたがお茶の初釜のお話です。初めての初釜、まだお目にかかっていなかった遠方の姉弟子様もいらして、終始和やかな時間を過ごすことが出来ました。お茶道の世界に足を突っ込み、知らなかったことや知識の断片が繋がったりして楽しいです。
知識の断片が意外なところで繋がる茶道
初釜に出向く前に知人の織物の展示会に足を運んでいました。
そこのバイヤーさんが金沢のお茶会に招かれた時、お茶会に合わせてわざわざ鍋島段通を運んできた人があった、、なんて話をしてくれました。
鍋島段通、上座・下座がはっきりとわかるよう、片房のモノがあります。
文様は『蟹牡丹』が代表的なものになります。
なぁんて知ったように書きますがもちろん、帰宅してからググって調べたの。(笑)
手織りだと軽自動車が買えちゃうくらい、刺し織り(新鍋島というみたい)でもその半分くらいの価格です。(滝汗)
で、今までお稽古で通っていて気がつかなかったのですが、なんとお茶の先生の玄関にはその鍋島段通が敷かれておりました。。ぎゃふん。
こういう雑学的なトピックがお茶の席で繋がるとなんとも嬉しい気持ちになります。
初釜の床の荘りは神楽鈴、お軸は禅語の『松無古今色』
今の先生は先代(お母様)の跡を継いで、、なので何でも本格的で、釜も棚もお軸も何もかもが沢山あるようです。(ため息〜)
床の荘りに本格的な神楽鈴が散米盆に置かれてあったのには驚きました。
神楽鈴ってこういうの↓(これに長い五色のリボンがついています)
お正月は過ぎてしまったので本式の鏡餅はなかったものの、神楽鈴をこの時だけに瞬間芸のようにしつらえる、なんて贅沢なんだろうと思いましたよ。
お軸は毎月変わるのでその意味を伺うのも楽しみの一つとなりました。
今回は『松無古今色』ですが、12月は『關』の一文字でした。
ちなみに『松無古今色』は『竹有上下節』と対句だそうです。
禅語は深いので今年は禅の言葉も色々と味わっていけれたらいいな、と思いました。
何事も勉強、勉強♪
初めてお茶席の懐石料理を頂く、還暦過ぎて箸の使い方を学ぶ(汗)
人数が揃ったこともあり、先生が張り切って懐石料理を振る舞って下さいました。
姉弟子さんに挟まれて緊張!
蓋ものが二つ出た時は左右同時にとって合わせる、箸は上から取って左手に乗せてから持ち替えるなんて基礎中の基礎を学ぶわたし。
もっと若い時に知っていればよかった〜なんて後の祭りです。
ご飯は山盛りではなく一文字にすっと椀に盛られ、汁物は白味噌で蕪が炊いてありました。
鯛の昆布締めのお造りがちょんぼり器に載っていてどれも余白の美しさを感じるものばかり。
その後椀ものがまた出たのですが、大きな蓋つきのお椀に鶏と蓮根の擦ったもので合わせたつみれがお出汁の中に浮かんでおり、柚子の皮が素敵な色のアクセントになっていました。
最後はいちごとお番茶。
先生ひとりで何もかも用意するのは大変だったと思います。
けれど久しぶりに来られる方もあったので先生もウキウキしているようでした。
お抹茶のお茶菓子は「花びら餅」でした。
今でこそわたしが住んでいる中途半端な地方都市の和菓子屋さんでも1月には出回る「花びら餅」ですが、「花びら餅」が広がったきっかけはNHK大河「花の乱」だったのではなかろうか、、とひとり思っています。
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花月という札にてゲーム感覚で亭主役や正客を体験する
人数が揃ったこともあり、お茶は楽しいよ♪、こんなことも出来るよ♪と初心者(わたし)に対しての先生の心遣いで「花月」という札を使ってゲーム感覚で亭主役や正客を体験しました。
花月はこんな札です。
花月札とは七事式の順序・役割を定める札のことです。
ちょっと麻雀の牌みたいですよね。
表面に松の絵が、裏面に花・月の絵と一・二・三の字が書かれていました。花は主、月は正客、一二三は順番を表すそうです。
折据というたたみ形式の紙箱の中に入れて回します。
折据の正面には縦がわかるように、『一』と墨で印がついていました。
この折据にも持ち方や置き方があってどひゃ〜なのですが、『体験』としては”こういうこともあるのか〜い”的な、楽しい時間でした。
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お稽古事のルール?初稽古の時には先生からプレゼントが!
実はお茶を習う前にあちこち記事を読んでこんなしきたりがあるらしいことを知りました。
義理母つうさんが新札にこだわっていた訳がここで繋がりました。
わたしが習っている先生は”まだ自分も勉強中だから”と盆暮のお礼は受け取らないものの、姉弟子様たちは恒例行事らしくお正月の挨拶を兼ねてお礼を包んでおりました。
もちろん、わたしも”ハブらないで!混ぜて下さい!”と申告して一緒にお礼を包みました。
すると毎年恒例のことなのでしょう、なんと生徒一人一人にギフトが。。
わたしにはなんと茶道手帳をいれてくださいました。
家にかえって中を開けると
姉弟子様と相談して出した金額以上のものがどっちゃり入っていてびっくらぽん!でした!
特に茶筅!「真」の茶筅など猫に小判です!
先生に『励め!』と暗に言われているようで思わず背筋がピシッと伸びました。
茶箱組みがしたくて軽い気持ちではじめた「茶道」ですが、お稽古に足を運べば運ぶほど奥が深い。
バラバラだった歴史がひょんなところで繋がったり、道具の扱い方、動作にしても道理があるのがわかると、『なるほどそういうことか』と腑に落ちていきます。
また自分のもっている知識のピースがカチカチっとハマっていくのは結構楽しいのです。
歳を重ねての習い事なので、乾いた土地に水が染み込むように技術やことわりを自分のものにしていくにはかなり厳しいですが、、それでも今まで見向きもしなかったものに気持ちが向くことが出来る自分を大切にしたいな、と思います。
今年は卯年、義理母が生きていれば年女となる年です。きっとうさぎの扇子を見たら喜んだに違いないです。
茶道は義理母が繋いでくれた道と思ってこれからもゆっくり進んで行けたらな、と思うグリコです。
1月は弔事や想定外のことが起こり、思いのほか気持ちが沈んでどうしてもブログに向かうモチベーションが保てませんでした。
2月からは気持ちを刷新していこうと思っています。
生きていると色々なことがあるよね〜ということを噛み締めた1月でした。
本日は遅くなりましたが雑記風初釜のお話、最後までお読みくださりありがとうございました。
コメント
コメント一覧 (8件)
待っていました、お茶の記事!そして初釜の記事も興味深かった
です。グリコさんの先生宅の雰囲気やら初釜の
風景やら想像を翼を広げて愉しませてもらいました。
先生からのプレゼントの内容が豪華ですね~♥凄い。
こちらも1月はハプニングだらけで、発信する力も失せてしまいました。
Bが病院→施設に入所できたら、少しはほっとするかもです。
お久しぶりです、まるたけ様。今年に入って更新されていないのでどうしているかな?と思っておりました。
今回は年初めで古参のお弟子さんもいらしたこともあって、みんなで楽しくやりましょう♪みたいな会でした。
花月札なんてものも登場してゲーム感覚で順繰りでわたしまで亭主役が回って来るという(滝汗)。
写真NGなので言葉での説明まどろっこしいでしょ?(笑)
年初めはこんなプレゼントが頂けるのか〜と家に帰って焦るやら嬉しいやら。
勉強しなくちゃねってなりました。(滝汗)
まるたけ様のところもあとちょっと一山ありそうですが、気力が湧いたらまたブログに戻ってきてくださいね。
待ってま〜す。
はじめてコメントいたします。
お茶を習い始めたばかりの超初心者なので、とても参考になります。
質問があります。(変な質問で申し訳ありません。)
お札はどういった袋に入れてお渡ししましたか?
こちらの記事を拝見して、そういうお金が必要であることを知り、もう年末ですし、どうやってお渡ししたらと頭抱えております。
お稽古も毎回ドキドキ、初めて新年を迎えることにもドキドキなのです。
りえ様、お茶の記事をお読みくださりありがとうございます。嬉しいです。
わたしも本当にガチの初心者なので相変わらず粗相が多いです(滝汗)。
さてお礼の件について。
お札は新札に替えておく。
お値段は姉弟子さんからこっそりおいくらくらいでしょうか??と聞く。
りえ様の知りたい袋ですが、キレイな和封筒でいいのではないかと思います。
郵便番号の四角が入っていないものがいいのではないでしょうか。
ご祝儀袋の水引がついている派手なやつでなくて大丈夫です。
心配なら文房具コーナーで店員さんを捕まえてお礼のお札を入れたい旨を伝えれば選んでくれるかと。
封筒にお礼と書いて自分の名前を書けばそれで大丈夫です。
正直に『初心者なのでこのような場面でどうお礼を包めばいいかわからなくて、、失礼があったらごめんなさい』と伝えるのもいいかもです。
だって本当に知らないんだもの(開き直り)。
先生によってはこういう場面は、、と教えてくれるかもしれないし、まぁ気持ちなんで。
ちなみにお月謝はお扇子を広げてそのうえに乗せてお渡ししております。
りえ様も読んでくださっているので、またお茶の記事を書く気になりました。
ありがとうございます!
お茶でのやらかしはあいかわらずなのでここで笑って帰ってくださいな。
ふふふ。
お返事ありがとうございます。
私のお教室は、マンツーマンでして、他の方と曜日が合わなくて、私だけのために私の都合で準備してくださってます。なので、聞ける人がいなくて…。教えていただき助かりました。今週末が年内最後のお稽古日なのです。
「お礼」でいいのですね。水引も無くて構わないのですね。
素人のくせに(?)最初から水引付きののし袋で大袈裟にやってしまうのも気が引けると思っていたので、よかった。
和封筒でしてみて、大丈夫か先生に伺ってみます。
新札を忘れないようにしなくちゃ!
お茶の記事、楽しみにしています。
ただの習い事気分で軽い気持ちで始めたら、なんだか奥深くて、とても楽しいです。
私も失敗、というかそもそも何も知らないのでできないことだらけで、アラフィフなのにこんなにも注意される事ある!?ってくらいいろんなこと注意されています笑
りえ様、お返事ありがとうございます。
マンツーマンなんですね!緊張しますね!
わたしも超初心者で月一回なので前のことをすぐ忘れてしまいます。。。。(滝汗)
もっと若い時からやっていればそれなりに身についたのに〜と後悔しています。。とほほ。
まぁラフになんでも正直に伺ってその先生の仰る通りにしていけばいいのではないかと。
当たって砕けろてきなかんじで学んでいかれたらよろしいのではないでしょうか。(笑)
知らないものは知らないんだもーんと開き直りましょう♪
こんにちは。
年内最後のお稽古が終わりました。
最後だからか、初めてお弟子さん(?)と2人でお稽古に入り、帰り際、お弟子さん(?)が菓子折りを渡しておられ、その際に「こういうことはやめてちょうだいって言ってるじゃない。」っておっしゃっていました。「自分の好きな物を人に配るのが好きなだけなので、受け取ってください。」とお弟子さん(?)は菓子折りを置いて帰ろうとされ、先生もじゃあお言葉に甘えて〜と受け取っておられました。
隣の部屋で着替えていた私は、「どうしよう(困)」と焦りましたが、綺麗な封筒を買い(手紙なんて書かないので封筒持ってなかった)、頑張って文字(筆ペン字苦手で練習しました笑)も書いたし、渡すだけ渡してみようと、お弟子さん(?)の見送りから茶室に戻られたタイミングで、「私もお歳暮のつもりで、感謝の気持ちなので受け取ってください。」と差し出し受け取ってもらいました。よかったです!
封筒と上書きが先生のやり方に沿っているのか確認はできなかったのですが、ひとまず、安心したところです。
グリコさんに教えていただいて良かったです。
どうもありがとうございました。ほんとうに助かりました!!
お茶話のブログ記事、楽しみにしています。
寒くなりますが、お身体にご自愛ください。
りえ様、今年のお稽古お疲れ様でした。
>「こういうことはやめてちょうだいって言ってるじゃない。」という先生のコメントにある通り、これからは先生の主義というか、確認できるといいですね〜。
本当にいらないのか、辞退するのが一応の流れなのか、そのお弟子さんが過度にプレゼントをする人で迷惑しているのか、、
先生の本意がわからないだけに滝汗です。
我々(と一緒くたにしてしまい申し訳ないですが)は20代の娘でもなく、いい歳をした大人なのでそういうこと(盆暮正月のご挨拶)はマナーとしてやるのが当然なのか、この業界の流れなのかよくわからないけれど、やっぱり知った顔して包んでしまいますよね。
お弟子さんをとって本格的にその業界で君臨する先生なら盆暮正月のご挨拶はして当然という流れになると思いますが、、
その辺先生の考え方しだいなのかな〜。
わたしが教えていただいている先生は盆なし暮れのご挨拶は皆さんしていたので姉弟子さんに聞いて、お正月は先生からお弟子さんに暮れの返礼品をいただくっぽい流れでした。(ただし先生からの強要はなし)
とにかく初戦突破してしまいましたが、先生のご意向が伺えるとその後スムーズになると思います。
まぁお礼を渡せてよかったです。
お互いにこれからもお茶の世界を楽しみたいですよね♡
色々としがらみの慣習があると思いますが、うまく乗り切れますように♡