先日、江口のりこ主演の映画「愛に乱暴」を観てきました! もうね、タイトルからしてヤバい匂い。実際観たら、主人公桃子にいたく共感してしまいました。。今回はややネタバレも含む感想です。
映画【愛に乱暴】ってざっくりこんな映画
(画像は公式サイトからお借りしました)
あらすじはこんな感じです。
夫の実家の敷地内に建つ“はなれ”で暮らす桃子は、結婚して8年になる。義母から受ける微量のストレスや夫の無関心を振り払うように、センスのある装い、手の込んだ献立などいわゆる「丁寧な暮らし」に勤しみ毎日を充実させていた。
そんな桃子の周囲で不穏な出来事が起こり始める。近隣のゴミ捨て場で相次ぐ不審火、愛猫の失踪、不気味な不倫アカウント…。平穏だったはずの日常は少しずつ乱れ始め、やがて追い詰められた桃子は、いつしか床下への異常な執着を募らせていく・・・。
引用元:「愛に乱暴」公式HPあらすじより抜粋
これだけ読むとサスペンス?ホラー?謎が謎を呼びます。
いつもは一歩下がった場所で、特異な輝き方をする俳優の江口さん。
その江口さんが主演!という情報だけで既に期待感マシマシでした。
主人公桃子が江口のりこ、夫真守が小泉孝太郎、義理母が風吹じゅん(敬称略)です。
監督は森ガキ侑大監督。
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ロケ地は神奈川県綾瀬市 市のロケーションサービスを大いに利用
この頃は町興しも兼ねて様々な地方自治体も映画やドラマのロケに積極的に協力するようになりました。
今回のロケ地は神奈川県綾瀬市です。
舞台になった住宅は母家と離れのある一軒家。森ガキ監督が市内の家を全部見て回って見つけたお家だそうです。
カメラワークがちょっと独特
監督がドキュメンタリー畑から出て来た人だからなのか、ハンディカメラで撮っているようなカメラワークも多く、最初慣れるまでちょっと時間がかかりました。
主人公桃子の後ろからのカメラ、主人公の姿にはピンがあっているのですがその他はピンがあまく、それだけでも桃子の孤独感や周りとの距離感を感じることが出来ます。
異常?いやいや本能からくる桃子の「嗅ぐ行為」
ちょっとしたアクションなのですが、桃子は「クンクン」します。
そう、匂いを嗅ぐのです。
- スペアリブの香り付のローズマリーを
- アイロンがけしている真守のYシャツを
- リクエストしたお土産のよもぎ石鹸が入っていたビニール袋を
- 真新しいチェーンソーを
私もかなり「クンクン」魔なのですごーくわかる。
匂いって重要。
自分を癒して安心させてくれるものか否かがわかりますもの。
桃子が嗅ぐ匂いは桃子を安心&癒してくれるモノ。
これは本能です。
だから義理母が持たせてくれた「カマス」はクンクンしない。
あなたはなんでも持っていていいわね!
真守の不倫相手の家に家庭菜園で作ったスイカを抱え乗り込む桃子。
妊娠5ヶ月と聞いて「嘘なんじゃないの?!」と母子手帳を出すように要求します。
その母子手帳を実際に目の当たりにするとグワしと握りつぶして、床に叩きつけ、
と吐き捨てるように言い、出ていきます。
夫の不倫相手は自立して仕事もあり、明るい綺麗なマンションに住み、赤ちゃんまでも授かっている。
かたや桃子自身もまた不倫の末結婚したけれど、パートの仕事も終わりとなり、古い離れ暮らし&姑あり、あげく待望の赤ちゃんは流産。
そして子供ができたこと自体嘘だったのではないかと思われている始末。
さらに今は愛する夫すら離れようとしている。
同じ略奪婚なのになんでこうも違うのか。
これが因果応報、天に唾をするってことかよっ!
略奪した相手の家から飛び出したものの、大きな物音がして気が気ではなくなりダッシュで戻っていく桃子はやっぱり狂気の人ではないのです。
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Je te veuxとのコントラプンクト(対位法)が胸に響く
Je te veuxってフランス語で「あなたが欲しい」という意味なんだそうです。
あなたが大好きとか、ま、そんな感じ。
曲も明るいです。
その曲を全てがうまくいかない帰り道にハミングする桃子。
電車が近づいてくるにつけ、そのハミングも怒鳴り声に変わります。
この対比が桃子の孤独な心情をグッと引き立てています。
曲のタイトルも『あなたが大好き』っていうのも(汗)。
ああ、人生の空回り。。。
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愛の反対は憎悪ではない、無関心である
「愛の反対は憎悪ではない、無関心である」これはマザーテレサのお言葉です。
映画「愛に暴力」の底に深ーく流れているのはこの無関心だと思います。
なんでも生返事の真守、尽くしているのに微妙によそよそしい義理母、桃子の話は話半分で程よくいなす元上司&石けん教室の同僚男性職員。
桃子は桃子なりに一生懸命なのに、まるで居ても居なくてもさほど体制に影響なしといわんばかりの態度。
桃子は真面目でいい子なんだよ〜一生懸命なんだよ〜
とお節介なおばちゃん役で出たい衝動が。。(話が壊れるからそれは無理だけど、笑)
敢えていうなら、桃子がおかしいのではなく、まわりがおかしい。
おかしい、という言葉は正確ではないかも。
まわりが「対面する人に心を寄せない残念な存在」なのです。
終始泣かない桃子が涙した言葉は?
もう大いなるネタバレなのですが、、
ラスト近く、なんか怪しい、、やだあの人、、と思っていた人に桃子は予想外に声をかけられます。
この『ありがとう』の一言で桃子の感情が一気に弾け号泣。
何かしても「ありがとう」といわない真守。
ウチの夫も「ありがとう」が言えない人なので完全にこのシーンは桃子と自分が同化しました。
感謝してほしいのではない、何かした行為を目撃した印としての「ありがとう」。
見ていますよ、その存在を知っていますよ、というアイコンなのです。
「ありがとう」という言葉は。
刺さりました〜
小泉孝太郎のクズっぷりがよい
あのキラキラ星の住人の小泉孝太郎が!
目にかぶるように前髪を下ろしてキラキラオーラを完全に消していました。
2回も不倫した役どころって(笑)。
クズな役もできる小泉孝太郎。
なんでも演じていない時は笑ってばかりで仕事に入ると全く笑わなかったそうです。
役者さんって本当にすごいな〜。
役の中で色々な人生を歩めるって贅沢ですね。
今日は「愛に乱暴」という映画を観た感想(ネタバレも)を書いてみたグリコです。
不倫アカウントは誰のものか、ぴーちゃんは?全部書いてしまうとネタバレがすぎるのでここでやめておきますね。
気になる方は是非!映画館に足をお運びくださいませ♡
今年観た映画はこちら↓
本日も最後までお読みくださり、ありがとうございました〜♪
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