細川護煕展を観に行ってきました。恥ずかしながら細川さんの下の名前の読み方すら分からなかったシニアです。人生後半生のひとつの在り方として拝見させていただきました。
細川護煕氏とは
細川護煕氏は第79代内閣総理大臣、肥後熊本藩細川家の18代当主という肩書きです。
護煕、読めませんでした(汗)
「もりひろ」って読むんですね。
詳しく広く知りたい人はこちら→☆(wikiに飛びます)
現在は陶芸家・茶人、幅広くいうと『アーチスト』です。
60歳で政界引退 閑居・晴耕雨読という生き方
ひと昔前は「隠居届け」なんてものが戸籍にありましたが、60歳で一線から退き、HPにもあるように今は湯河原で閑居暮らしをしているそうです。
人生100年時代、死ぬまで働けといわれる令和の時代からしたら、そこだけ覗いたら”殿様はなんと羨ましい暮らしを、、”と映ると思います。
わたしも殿様の道楽?とやや冷ややかな目線を送りながら平塚美術館の展覧会に足を運んだのです。
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細川家が堪能してきた『美意識』が脈々と息づいている
ずっと続いている大名家の美意識。
きっと蔵にはお宝がザックザクなんだろうな〜ともったら↓
目白に「公益財団法人永青文庫」として細川家所蔵の歴史資料・美術品が公開されています。
国宝や重要文化財指定の品も数多く、いまだ調査研究が続いているのですから、凄い。。
そんな環境に育った方ですから、自然と日本文化に対する美意識も育ってきたのだろうと思います。
陶芸も書も絵画も良い
作品は写真撮影がOKになっていました。(フラッシュ禁止)
作品はどれも素晴らしくここで紹介したいのですが、やはり個人で楽しむ範囲の写真撮影なのであえてブログアップは控えました。
茶人と名乗れるほどあって陶芸作品は「侘び寂び」を自分の中に確実に落とし込んでいらっしゃいました。
陶芸作品は「どや!」というモノではなく、自己研鑽と楽しみを融合させながら「うん、おもしろいものができた」という感じ。
自分が井戸茶碗をつくるとしたら、粉引きをするとしたら、志野をつくるとしたら、と、あくまでも楽しみながらチャレンジャーの精神は忘れていない作品群でした。
書は想像に反してたおやかで女性的な文体です。
絵画は漆で描かれたものが渋くて素敵でした。
水墨画はこなれ感あふれていました。(表装の装丁が渋くて素敵♡)
とにかくあれこれやってみて楽しんだ!というものが伝わってきます。
創作活動が己の楽しさから意識が外側に向き始める
2020年頃から自分の「残生」に何ができるか模索し始めたように感じられました。
九曜アートプロジェクト(日本美術の魅力を後世に伝え、文化芸術および社会教育の振興を高めることを目的として、2013年に設立※同プロジェクト説明より抜粋引用)の立ち上げや竜安寺・建仁寺をはじめ数々の寺に自身の襖絵を奉納。
東日本大震災や原発問題、ウクライナ紛争に関しても「悼みながらも内側にある義憤」を感じる作品を発表しています。
「政治」という祭り事からは一線を引いたけれど、『アート』という方向で自分が出来ることをこれからもやっていくという意志も感じられました。
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残生という言葉にどきり、人生後半生を考える
展覧会の最後の解説に残生という言葉がありました。
本展を主催するにあたって、湯河原という湘南に近しい場所で「閑居」し「晴耕雨読」を実践する細川護煕の生き方に、我々が定年を迎えていかに有意義に後半生を生きていくべきか考えるヒントになるのではないかという想いがありました。
細川護煕展 解説より引用抜粋
うわべだけ見れば、”殿様だからこういう暮らしができるのよ〜””好きなことして悠々自適、うらやましい〜”になりますが。。
人生100年時代、人生の後半生(残生)を如何に生きるか。
肩書きを下ろした定年後の暮らしには、細川さんのように大きなことを成し得なくてもよい。
とも思わされました。
解説にある通り”束縛なく野に生きる生活の実践”はそれぞれの身の内にあると思うのです。
それはご近所のゴミ拾いでも良いし、子供の見守りの旗振りでも良いのです。
「自分が置かれる野」で自分が愉しいと感じられるものをみつけ、「野に生きる生活の実践」のなにかを見つけていかれるといいなぁ、、と感じました。
ちょっと茫漠とした物言いになってしまいましたがそんな感じ。
会期はあと少しですが気になった方は是非↓
残生どう生きるかの答えはやすやすとは出てこない凡人グリコです。
今日は昨日観に行った「細川護煕 美の世界」から感じたことを書いてみました。
本日も最後までお読み下さりありがとうございました。
コメント
コメント一覧 (2件)
わあ、これ私も行きたいです。
観たいなあ。ぷち旅行しようかな?なんて。でもダレかも行きたがるだろうなあ、と思うと↓
こんにちは、まるたけ様。
静かなとても良い展覧会でした。地方の美術館ですが、学芸員の企画力がなかなかです。(すごく切れ物の学芸員は他に移ったらしいですが)
同時開催されている所蔵品もモノクロームをテーマにしていてなかなかでしたよ。
茶杓が素晴らしかったし、茶椀も盌と表示されていました。ポスターの盌は「独坐」という名前がついていましたよ。
どの盌もわりと小ぶりで細川さんの作陶をみたら自分ちにあるものを全て割りたくなりました。
あはは。パートナーさんと出かけるならタクシー乗り付けがよろしいかと。
中はバリアフリー対応です。