ぐずつく天気の中「ガブリエル・シャネル展」に行って来ました。リアル作品展示でシャネルはモノの本質を嗅ぎ取る究道者であり、精神のミニマリストでもあるなと思いました。
シャネル展 シャネルの服に対する考えがよく分かる企画展
シャネルと言えば、「シャネルスーツ」やキルティングのバッグで、お金持ちのマダムが着るお洋服という印象でした。
今までわたしはそのデザイナーが何を考えて作品(服または服飾品)を製作していたかあまり追求したことはなく、今回の回顧展はシャネルのファッションに対する思惑が伝わってくる企画展でした。
シンプルな美、しかしすべて考え抜かれた作品
実用的でありながらもお上品。
あえて色を抑え黒をメインとするドレス。
徹底的に生地にこだわった作り。
特に「インサレーション」というレースなどを切り込んだ布の間に差し込む技法はボディラインをどの方向からも美しく見せるように切り替えが細かくてびっくりしました。
このこだわりを見ても分かるようにシャネルって究道者だな、、と思いました。
1930年代のディ・ドレスは色のあるお花柄のドレスですが、カーネーションの花が浮き出るようにアップリケされていて動きを伴うとさぞかし綺麗なんだろうな、と思いました。
プリントの絹モスリンですが、透け感もあり、今でも十分着用可能かと。
喪服かよ!って当時もたぶんつっこまれたと思う黒のドレスですが、シャネルがつくると本当に優雅。
展示はマネキンが来ているのですが、腰が細い。。
わたしは腰が張っているので細っ!とマスクの中で呟いてしまいました。
ボディラインへのこだわりとカッティング技術、それはいらないものを削って削って削りまくった中の美しさの追求でした。
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シャネルは使い手のこともよく考えていた、バッグや靴にも現れるその気配り
シャネルのバッグといえば柔らかい羊の革にキルティングのステッチをかけたものが有名ですが、これも『服飾品』でありながら、使い手のことをよく考えて作られています。
なにより実用性を重視し、チェーンは金属の擦れる音を抑える為に革紐を編み込んだと書いてあってびっくらぽん♪でした。
また今もそうかは分からないけれど(持ってないから)、中身を見つけやすくする為赤のグログランの裏地を付けて口紅専用のポケットをつけるなんぞは、ユーザー視点凄いなぁ、、と感心しました。
ショルダーバッグにしたのは、手でバッグを持ち続けることや失くすことにうんざりしてたから、というコメントは誰もがそう思っていた事を行動に移してくれたシャネルって素晴らしい!と思いましたよ。
シャネルのバイカラーミュールも、つま先が黒なら汚れが目立たないという視点で作られています。
さすが!
後ろのストラップも机の下でこっそり靴を脱ぐことも可能かつ履き直しも楽♪という点で作られたそうであくまでもユーザーの実用性を重視しつつエレガントさも忘れないシャネル、スゲー!
シャネル語録、
日中どんな場面でも使えるのが爪先が黒の靴、夏はマリンブルー、スポーティな格好には栗色、夜はゴールドさえあればOK、当時の状況に応じた実用的な判断でもあると思います。
シャネル、ミニマリストっすな。
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エア服飾品としての香水ミニマルデザインのNo5
香水って容器のゴージャスさも手に取る基準の一つになりがちですが、ここでもシャネルは徹底的にミニマル路線を追求していきます。
香水も衣服の延長線と考え、白のボール紙に黒の縁枠。ボトルも透明な四角。
そのデザインは今も継承されていますね。
シャネルスーツ、一度は袖を通してみたい色々な仕掛け
わたしは着たことがないので残念ながらその着心地の良さは知る由もないですが、ジャケットは軽くカーディガンのようなもの、、と説明に書いてありました。
ポッケもなんなら手を入れても良し、あえてお袖が7分丈なのは手首を見せることでエレガントさを出すのかな〜と眺めて思いました。
と展示の中でも書かれていましたが、腰骨で止まるスカートといい人体のことを知り尽くしているデザインです。
シャネルスーツを着て出かける機会がないので手にするとこは皆無なわたしですが、ひやかしでもいいから一度着てみたいです。(笑)
意外だったシャネルのアクセサリー、いわゆる「宝石」はあまり使われていない
すごくゴージャスなアクセサリーでしたが、金ではなく真鍮やメタルが使われていました。
そして石も初めこそ本物のカボションカットのルースが入っていますが、だんだん本物の宝石に混ざって色ガラスが多くなっていきます。
展示のシャネル語録にも
ジュエリーはそれを身につけている人のところで、その人のために面目を施すのに役に立つ。わたしは好んで宝石をいっぱい着けている。わたしが着けるとどれも偽物みたいに見えるから。宝石で人の目をくらませようとする熱意には虫唾が走る。宝石は嫉妬心をかき立てるものではなく、せいぜい驚かせるためのもの。装飾や娯楽として残すべきものよ。
ガブリエルシャネル展 ジュエリーセット礼賛より
人を驚かせる、装飾や娯楽という立ち位置での「ジュエリー」ではなく「アクセサリー」。
すべて服のためにあるものなんですね〜。
キャリアガールの走りとして実用性を重視しながらエレガントで着やすい服をずっとクリエイトして来たシャネル。
今までその作品に込められた彼女の思いや追求し続けた形のことは知りませんでしたが、削り落としたその先にあるものがまとめて見ることができた大回顧展でした。
見応えがありましたよ〜。
公式サイトはこちら→☆
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シャネル展、ランダムにお土産が出る日があるらしい
わたしが足を運んだのが7/13日でその日はあいにくお土産は出ませんでした(泣)。
なんでも小さなシャネルの紙袋の中にシャネルNo5の香水が入っているらしいです(後で知った)。
展示会は9/25まで、わたしの予想では8/19はシャネルの誕生日なのでその日はなんか出るんじゃぁなかろうかぁ〜とも思っています。(あくまで予想)
基本チケットは予約制ですが当日券もあるので、お土産狙いでヤマをかけていくのもアリですね。
東京駅からは地下道を使えば雨にも夏の日差しにも会わずに三菱一号館美術館まで辿り着けます!
本日は三菱一号館美術館の「ガブリエル・シャネル展」に行った話、そのあとお茶道具を観に三井記念美術館までひたすら雨を避けて地下鉄を乗り継いで行ったグリコール・グリコでした。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました〜V
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